内部SEOの基本とサイト構造改善5ステップ

検索順位を上げるための施策と聞くと、質の高い記事を書いたり、SNSで拡散したりする「コンテンツ」の話ばかりが注目されがちです。しかし、実はその裏側にある「サイトの構造」も、検索エンジンからの評価を大きく左右する重要な要素です。
内部SEOは、ホームページをGoogleにとって「分かりやすく、クロールしやすい(巡回しやすい)」状態に整える作業です。この記事では、内部SEOの基本から、初心者でもすぐに実践できる具体的なステップまでを解説します。
1. 内部SEOとは何か?外部・コンテンツSEOとの違い
まず、SEO施策全体の中での「内部SEO」の位置付けを確認しておきましょう。
SEO施策は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
1.内部SEO(テクニカルSEO)
サイト構造や技術的な要素を改善し、検索エンジンがホームページを正しく理解しやすくするための施策。
例: URL構造の整理、サイトマップの最適化、表示速度の改善。
2.コンテンツSEO
ユーザーの検索意図を満たす高品質なコンテンツ(記事)を作成する施策。
例: 記事の企画・執筆、キーワード選定、リライト。
3.外部SEO
外部サイトからの評価(被リンク)を獲得することで、ホームページの信頼性を高める施策。
例: 関連するホームページや権威あるホームページからのリンク獲得、SNSでの拡散を促す。
内部SEOは、このすべてを支える「土台」です。どんなに良いコンテンツを書いても、土台であるサイト構造がぐちゃぐちゃだと、Googleはホームページを正しく評価してくれません。
2. 内部SEOの「3大効果」:なぜ重要なのか?
内部SEOに取り組むことで、主に以下の3つの効果が期待できます。
効果1:Googleの「クロール(巡回)」を助ける
Googleは「クローラー」というロボットを使って世界中のホームページを巡回し、情報を収集しています。サイト構造が整理されていると、クローラーは迷うことなく重要なページにたどり着きやすくなります。これが「クロール効率の向上」です。
効果2:ホームページの「評価」を正確に伝える
ホームページ内に重複したコンテンツがあったり、表示速度が遅すぎたりすると、Googleはどのページを評価すべきか混乱します。内部SEOでこれらの問題を解消することで、各ページが持つ本来の評価を正確に伝えられます。
効果3:ユーザー体験(UX)の向上
内部SEOの施策の多くは、結果的にホームページを訪れたユーザーにとっても快適になります。表示速度が速くなったり、目的のページへの移動(ナビゲーション)がしやすくなったりすることで、ユーザーの離脱率が下がり、滞在時間が延びます。これはGoogleからの高評価にもつながります。
3. ホームページ制作時から気をつけたい!内部SEO構造改善の5ステップ
内部SEOには専門的な知識が必要なものもありますが、ホームページ運営者なら誰でも取り組める、基本的かつ重要な5つのステップをご紹介します。
ステップ1:URL構造の整理
ホームページの住所であるURLはシンプルで統一されている必要があります。
これは、ユーザーにとっても分かりやすく、Googleのクローラーがサイト階層を迷わず把握できるようにするために極めて重要です。
●具体的なアクション
- 統一ルールを決める: URLは英数字とハイフン(-)のみを使い、意味がわかりやすいようシンプルにします(例:/category/seo-basic)。
- 階層構造を意識する: URLの階層は、サイト構造と一致させることが理想です。
例えば、ブログ記事であれば、ドメイン名/カテゴリー名/記事タイトルのような構造にすることで、ユーザーもGoogleもその記事がホームページ全体のどこに位置するのかを理解しやすくなります。
ステップ2:サイト内リンク(ナビゲーション)の最適化
ユーザーとクローラーを迷わせない「道筋」を作ります。
●具体的なアクション
- パンくずリストの設置: ユーザーがサイト内のどの位置にいるかを示すナビゲーションです。これが無いとユーザーは混乱し、すぐに離脱してしまいます。
- 関連性の高い記事を相互リンク: 記事を読んだ後、次に読みたいと思うような関連性の高い記事同士を適切にリンクさせます。これは「トピッククラスター」と呼ばれる手法の基本であり、ホームページ全体の評価を高めます。
ステップ3:表示速度の改善(モバイル優先)
ホームページの表示速度は、SEOにおいて重要な要素の一つになりました。特にGoogleはモバイル(スマホ)での速度を重視しています。
●具体的なアクション
- 画像ファイルの圧縮: 画像はホームページの表示を遅くする最大の原因です。アップロード前に圧縮したり、軽量な画像形式に変換したりしましょう。
- キャッシュの活用: 訪問者が以前アクセスしたデータをブラウザに一時保存させる設定(キャッシュ)を利用することで、再訪問時の表示速度が大幅に向上します。
ステップ4:サイトマップの作成と登録
ホームページ全体の地図を作成し、Googleに確実に渡します。
●具体的なアクション
- XMLサイトマップの作成: サイト内にあるすべての重要なページURLをリスト化したファイルです。
- Google Search Consoleへの登録: 作成したXMLサイトマップをGoogleの無料ツール「Google Search Console(サーチコンソール)」に登録します。これにより、Googleはホームページの構造を把握し、クロール漏れを防げます。
ステップ5:meta(メタ)データの最適化
検索結果画面でユーザーに「クリックしたい」と思わせる重要な要素です。
●具体的なアクション
- Titleタグ(タイトル)の最適化: 検索結果に表示される見出しです。キーワードを含め、記事の内容を正確に、30文字程度で魅力的に伝えます。
- Meta Description(メタディスクリプション)の最適化: タイトルの下に表示される概要文です。これもキーワードを含め、ユーザーが抱える疑問や悩みを解決できることをアピールします。クリック率(CTR)に直結します。
4. 内部SEOは「継続的なメンテナンス」が鍵
内部SEOは、一度やれば終わりではありません。ホームページに新しい記事を追加したり、古い記事を削除したりするたびに、構造は変化します。
特に、以下の点は定期的にチェックするようにしましょう。
- リンク切れのチェック: 削除したページへのリンクが他の記事に残っていないか確認します。これはユーザー体験を損なう大きな要因です。
- 不要なページの整理(noindex設定): 検索結果に表示する必要のないページ(例:サンクスページ、タグページなど)には、noindexタグを設定し、クローラーの時間を重要なページに集中させましょう。
内部SEOは、地味な作業に感じるかもしれませんが、ホームページを「Googleとユーザーにとって最高の状態」に保つための、最も費用対効果の高い対策です。