クリニックのGoogle広告、月予算はいくらが正解?診療科・エリア・競合数から予算設計を考える

クリニックの広告予算に「正解の金額」がない理由
Google広告(リスティング広告)の予算を検討する際、どのような基準で金額を決められていますでしょうか。
実は、クリニックの広告予算に全院共通の「正解額」は存在しません。適正な予算は、診療科・エリア・競合状況という3つの要素の掛け算で決まります。
とはいえ最初から適正な金額で配信できる事は稀です。
ここではひとつの例として、逆算で自院の予算を導き出す方法を考えてみます。
一般企業であれば「売上の〇%を広告費に」という目安がありますが、クリニックの集患においてこの考え方は当てはまりにくいのが実情です。
同じ「内科」でも、都心部と郊外では検索ボリュームもクリック単価(CPC)も大きく異なり、近隣に競合が多いか少ないかによっても必要な予算は変わります。
他院の予算額をそのまま参考にしても、自院の状況に合っているとは限りません。
まず「自院の予算は自院の条件から考える」という発想に切り替えることが出発点です。
予算を左右する3つの変数
適正予算を決める上で確認すべき要素は、大きく3つに整理できます。
①診療科による平均クリック単価(CPC)の違い
保険診療中心の診療科(内科・小児科など)は比較的CPCが安定している一方、自由診療(美容医療など)のように専門性・競争性が高い領域ではCPCが上昇しやすい傾向があります。
当社(株式会社メディココンサルティング)も配信前に平均的なCPCをお調べする場合がございますが、あくまで想定の数値である事も申し添えた上でお伝えしております。
②エリア(商圏人口)による検索母数の差
都市部は検索母数が多い分、競合も多く入札競争が激化しやすい一方、地方・郊外は検索母数自体が少なく、少額予算でも効率よく配信できるケースがあります。
③競合クリニックの数・出稿状況
近隣に広告出稿中の競合が多いほど、同じクリック数を獲得するための単価は上がります。逆に競合が少ない地域では、最小限の予算でも上位表示を狙いやすくなります。
この3要素を把握してはじめて、自院にとっての「適正な水準」が見えてきます。
目標新患数から予算を逆算する3つのステップ
感覚ではなく数字で予算を組み立てるには、以下の3ステップで逆算するのが有効です。
1)月間目標新患数を決める
まず「広告経由で月に何人の新患を獲得したいか」を考えます。たとえば診療科目をひとつ挙げるとすると、ある消化器内科クリニックの例として、仮に「月20人」を目標とします。
消化器内科は保険診療中心の診療科となりますが、一般的に内視鏡検査も行うことが多くあり、都市部の主要駅沿線では競合クリニックも存在することから、コンバージョン単価が上昇しやすいといわれております。
2)必要クリック数を算出
広告クリックから予約・来院に至るコンバージョン率(CVR)を仮に2%とすると、20人の新患を得るには1,000クリックが必要という計算になります(20人 ÷2% =1,000クリック)。
3)クリック数×CPCで予算を算出
診療科・エリアの相場からCPCを仮に200円とすると、1,000クリック×200円=月20万円が必要となり、予算の目安となります。
| 項目 | 数値例 |
|---|---|
| 目標新患数 | 20人/月 |
| 想定CVR(コンバージョン率) | 2% |
| 必要クリック数 | 1,000クリック |
| 想定CPC(クリック単価) | 200円 |
| 必要予算 | 約20万円/月 |
この表の数値はあくまで試算例であり、CVRやCPCは自院の診療科・エリア・キーワードと広告内容の関連性などによって変動します。
実際の運用データが蓄積してきたら、この数値を自院の実績値に置き換えて精度を高めていくことが推奨されます。
予算が少ない場合の考え方
多くの予算を確保できない場合は、「薄く広く」配信するのではなく「狭く確実に」絞り込む発想に切り替えて考えるのもひとつの手段です。
具体的には、すでに自院を認知している患者様からの検索(指名検索)や、来院圏内・セグメント(年齢層や性別)に絞った配信を行うことで、限られた予算でも取りこぼしを防ぎやすくなります。
闇雲にキーワードを広げるよりも、成果に直結しやすい範囲から着手するのが、少額予算で求められる策となります。
新患獲得を目的とした検索広告の場合、来院圏や受診意向の高い検索語の配信に絞ること自体は基本的な設計です。
予算が限られる場合は、その中でもさらに、採算性の高い診療内容や新患獲得につながりやすい検索語に優先順位を付け、配信対象を絞り込む必要があります。
結論:予算は「仮説→検証→調整」で見つける
クリニックの広告予算は、一度決めたら終わりではなく、診療科・エリア・競合という条件から仮説を立て、実際の運用データで検証し、継続的に調整していくプロセスが理想的です。まずは自院の目安を試算し、そこを起点に運用しながら精度を高めていくことをおすすめします。
今回の記事は消化器内科クリニックを例に一般的な試算で考えてみましたが、その他の診療科・診療内容でも弊社の運用実績を元にしたご提案が可能です。まずはメディココンサルティングへお問い合わせください。